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1回分500cc!中国の「液体」漢方飲み薬

2016/10/11

日本ではエキス顆粒状の漢方薬が主流ですが、中国ではまだまだ「煎じて飲む」漢方薬が好まれています。ただ、現代人が忙しいのはどこの国でも同じ。そこで考えられたサービスが「液体」漢方薬。でもそれは、「液体」で想像したのとはちょっと違いました。

日本では漢方薬と言えば、病院で処方されたり薬局で売られたりしている顆粒状の漢方エキス薬がほとんどになっていると思います。

顆粒状の漢方エキス薬photo by Kwoji Miyata

でも、日本でも生薬(しょうやく)を処方してくれる漢方薬局もありますね。中に入ると、いろいろな生薬中药材がビン玻璃瓶に入って並んでいて、自然の神秘を感じるものです。

日本の漢方薬局photo by Jen Son

さて、中国の漢方中医ですが、基本的な考え方は日本の漢方と似ています。いえいえ、日本の漢方が中国から伝来したものなので、正しくは逆に日本の漢方が中国の漢方(中医)に似ていると言うべきですね。

ただ、日本の鎖国政策の影響で、かなりの期間にわたって中国の漢方(中医)と日本の漢方には交流がない状態が続いたため、現代の日本の漢方と中国の漢方(中医)には処方などの点で大きな隔たりがあります。

日本の漢方薬局では、患者さんの症状をもとに処方が決められます。中国の漢方医中医生は、もちろん問診もしますが、触診触诊などによってその人自身の「証」を見ることを重視しているようです。舌を見たり看舌头、脈を見たり看脉するのはその一つの方法ですね。

台湾の漢方医(中医)photo by capl@washjeff.edu

さて、中国で漢方の医者大夫にかかると、こうした診察を受けた後で薬を処方されます。日本の漢方では「葛根湯=葛根・麻黄・桂枝・芍薬・生姜・大棗・甘草」のように生薬を組み合わせた基本の処方が決まっています。中国の漢方(中医)でも基本の処方というのはあるようですが、それをベースに先生がその日の患者の状態を見て処方を決める、完全オーダーメイド処方のことがほとんどです。

先生の書いてくれた処方箋处方を持って行き、薬局药房で薬剤師药师さんが処方してくれた生薬を購入します。だいたい、下の写真のように、素人には落書きにしか見えない処方箋なのですが、これで薬局の人は分かるらしいです。すごいですね(@@

中国の漢方医(中医)の処方箋photo by Royal Shi

生薬を購入したら(たいてい買い物袋に何袋もいっぱいになります)、家に持ち帰って生薬を煎じ熬药ます。鍋(土鍋砂锅やガラス製の鍋がいいとされています)に湯を沸かして、生薬を決められた分量で入れて、弱火でことこと煮出すのですが、火を見ていないといけないですし、何日分かをいっぺんに煎じるのは鮮度が落ちるのであまり良くないと言われていたりして、これが大変に面倒なのです。

しかも、薬を煎じると家中に漢方薬の香り、いや匂いが充満します。中国でも漢方薬を飲む人はだんだん少なくなっているそうですが、気持ちはとても分かります(><

漢方薬を煎じるphoto by Qian Guofu

日本の漢方薬はある程度処方が決まっているので、代表的な処方をエキス製剤にしてドラッグストアに並べておくということができますが、中国の漢方薬は完全オーダーメイドなので、あらかじめ作って並べておくということが難しいみたいです。どうしても処方を受けてから生薬を煎じる必要があります。

しかし最近ではさすがにそれは非効率だということで、中国でも色々な方法が試されています。例えば、生薬を在庫しておくのではなく、生薬のエキスを在庫しておいて、処方箋をもとにエキスを調合して患者さんに出すようなこともされているようですが、まだこうした方法は広く普及するまでにまだまだ時間がかかりそうです。(参考:日本人中医師の先生による解説

上で挙げたのはかなり先進的な方法ですが、それ以外にも色々な方法が試されています。まずは、ずっと火を見ているのは大変だから、自動で煎じたらいいのではないかということで開発された、全自動漢方薬煎じポット电药壶

電気漢方ポット

日本の漢方製剤と同じ考え方の「中成药」という漢方製剤もあります。ただ、あらかじめ処方が決まっているというのは中国の漢方の考え方からは外れているので、効きは今イチと考えられているようです。

中成薬

 

そして、患者が薬を煎じるというのに無理がある、ということで考えられたのが、薬局が煎じるサービス「代煎」です。これでは煎じたエキス剤の鮮度が問題になりますが、真空パック真空包装にすることでできるだけ鮮度が劣化しないように工夫されています。

しかし、これもまた良い点ばかりとは言えないのです。

まずはその量ですが、この「代煎パック中药包」は特に煮詰めるようなことはしていないので、1回あたりの分量はそのまま、コップ約1杯分です。

1-image-41

写真から大きさが分かりにくいかもしれませんが、このパックは1回分が500cc(!)でした。湯煎用开水加热もしくは電子レンジ微波炉で温めて飲むのですが、苦くて不味い漢方薬を500cc(つまりペットボトル1本分)飲むというのは、とんでもなく大変なことが想像できると思います。そして、1回分がこれだけということですから、1日2回分×2週間も処方してもらうと量が大変なことになります。重さにして約15kg!車のないこちらで、これを家に持って帰るのも一苦労です><

と言うことで、やっぱり健康が一番、と思うのでした(^^;

 

でも、自分の体質に合わせてしっかり身体の状態を整えたい場合、中国の漢方は良く効くと思います。日本でも中国漢方の処方を受けられるところもあるようですので、探してみるといいかもしれませんね。

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この記事を書いた人

C-STUDY管理人。フリーランスのプログラマー+中国語通訳翻訳+ブロガーをやってます。中国語は独学でHSK8級+中検準1級。中国・中華圏を中心に東アジア~東南アジアが活動範囲です。もっと詳しく

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