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「办证刻章」って?~中国の証明書・印鑑ビジネス事情

2016/09/27

中国の街のいたるところで、办证刻章と書いてある広告を見かけます。しかし、広告の場所がどうにもあやしいのです。この何気ない違法広告から、中国の商習慣やビジネスの闇が透けて見えるのでした。

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電柱(の基礎)にプッシャー、としてありますね。办证刻章と書いてあり、その下に携帯電話の番号があります。電話番号はそれぞれ違いますが、文字通り「判で押したような」同じ広告です。

「証明書発行します・印鑑彫ります」

「办证」は「办理证书」の略で、証明書を発行するという意味、「刻章」は「刻印章」の略で、印章を彫るという意味です。もちろん、こんなところに広告を出す業者ですから、間違いなく違法な業者です。

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ということで、これは証明書の申請代行と印章(印鑑)作成をしてくれる業者の広告です。

中国は意外にも書類社会・ハンコ社会

中国では何かを申請、手続き、登録する際にたくさんの書類をそろえなければなりません。就学、就職する際にもたくさんの書類をそろえる必要があります。

例えば、外国人がマンションを借りて入居すると、最寄りの派出所に行き外国人臨時居留証外国人临时居留证の申請をしなければなりませんが、たくさんの書類を提出する必要があります。必要な書類はと言うと…

・大家さんの身分証明書身份证の原本と写し

・大家さんの所有権を証明する登記簿房产证の原本と写し

・賃貸契約書房屋租赁合同の原本と写し

・本人の有効なパスポート护照とビザ签证の原本と写し

などがあります。

中国の地方出身者が学校に入学する際にも、戸籍証明や学歴証明が必要ですし、就職する際は以前勤めていた会社が発行する在籍証明や学歴証明が必要です。また、自動車や不動産を譲渡や販売する場合は以前の所有者の身分証明書や権利証明書の提出が必要です。また、それらの書類には会社、学校、公的機関の押印がなければなりません。

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中国では書類偽造・ハンコ偽造ビジネスがとても盛ん、印影からハンコを復元する業者も。

しかし、皆が皆そうした書類がそろってるとは限りませんし、中には学歴や職歴、身分を偽装してでも自分がほしいものを手に入れたいという人たちも少なからずいます。書類に必要な公的機関などの印章がもらえないので、印章を偽造してほしい人もいます。こうしたニーズがあるので、写真のような広告がいたるところで見られるのです。

私は以前中国の中古車取引所で仕事をしたことがあるのですが、自動車の名義変更の際に以前の所有者の印章がないのでどうしたらよいかという人がいました。しかし、その取引所の中に印影から正確に印章を復元する専門業者がおり、その業者が偽造した印章を押印した書類が受理され、なんとその車の名義変更の審査が通ってしまいました。(私はタッチしていませんよ・・)

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カネさえ払えば死亡証明でさえも…

こうした広告は非常に見栄えが悪くて、街の景観を損ないますし、犯罪を助長します。街の美化担当職員たちが白いペンキでそれらの広告を消していますが、消したその上にまた広告を書くといったいたちごっこが続きます。

では、それらの業者はどのような証明書を偽造するのか、中国の検索エンジン「百度」で調べました。すごいことが書いてありました。「记者暗访办证刻章群体 给钱死亡证明都能开(証書印章偽造業者に潜入インタビュー、『お金さえ払えば、死亡証明証もおまかせ』)」

英語検定証書、死亡証明書、火葬証明書、公印、身分証明書、運転免許証などなど。ある業者は「政府機関からも印章作成の依頼がくる」と記者に答えたそうです。

ソフト面でもハード面でもまさに発展途上にある中国です。何事もきちっと正式にしたい私たちににとって信じられない世界ですが、今後さまざまな面でますます整備され、不正がなくなる時代がくるといいですね。

-中国出張, 季節の風景

この記事を書いた人

C-STUDY管理人。フリーランスのプログラマー+中国語通訳翻訳+ブロガーをやってます。中国語は独学でHSK8級+中検準1級。中国・中華圏を中心に東アジア~東南アジアが活動範囲です。もっと詳しく

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